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博士論文の内容がThe New York Timesのコラムに掲載される
人間総合科学研究科 松井 崇
学生?大学院生
征矢英昭教授(网上哪里能买篮彩体育系)指導の人間総合科学研究科(博士後期課程)体育科学専攻3年松井崇氏(日本学術振興会特別研究員)は,博士論文の内容を以下の2本の原著論文として The Journal of Physiology に発表しましたが,その内容が2012(平成24)年2月22日のThe New York Times コラムの健康欄に“How Exercise Fuels the Brain(運動はどのように脳へエネルギーを供給するか?)”と題して紹介されました。 The New York Times は,100年以上の歴史を持つ,全世界で読まれる最も著名な雑誌の一つです。特に,コラム欄の記事は話題を呼ぶことで知られており,とりわけ健康欄はダイエットやメタボ予防に関する新知見で賑わいをみせています。最近,脳科学の進歩もあり,運動と脳に関する知見も増えてきましたが,今回は,運動パフォーマンスだけでなく脳機能も高めるために有効な新しい運動と栄養摂取法の提案という点で掲載されました。 松井氏の発表内容は,新たな測定法を導入することで,これまで測定が難しく,その役割が不明だった脳の貯蔵エネルギー「グリコゲン」が運動時に利用され,新たな中枢疲労因子の候補となりうることに加え,運動後には素早く回復し,筋グリコゲンのように超回復すること,更に,トレーニングすると基礎レベルが増加することなどを見出したものです。更に,これらが認知機能を担う皮質や海馬などで生じることから,運動による認知機能の維持?増進に脳グリコゲン貯蔵が関係する可能性を初めて示唆しました。その内容の斬新さと有用性が評価され,今回の掲載に至りました。