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難治性血管炎の再燃リスクに関するバイオマーカーを特定

研究イメージ画像 (Image by luchschenF/Shutterstock)

 抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎(AAV)は、原因未解明の難治性血管炎で、近年、患者が増加傾向にあります。免疫抑制治療により、多くの場合は寛解しますが、その一部で再燃が見られ、どのような患者で再燃が生じやすいかを予測するバイオマーカーが求められています。


 本研究グループは、これまでに、日本人AAV患者の多くを占める、ミエロペルオキシダーゼANCA(MPO-ANCA)陽性群において、発症リスクに関連するヒト白血球抗原(HLA)遺伝子多型を報告しています。


 本研究では、日本人AAV患者を対象に行われた前向きコホート研究から得られたデータを解析し、MPO-ANCA陽性AAVの発症リスクに関連するHLA-DRB1*09:01-DQA1*03:02-DQB1*03:03ハプロタイプ(同じ染色体上にある複数の遺伝子多型の組み合わせ)が、再燃リスクにも関連することが明らかになりました。一方、HLA-DRβ(ヒト白血球抗原を構成する糖タンパク質)分子に特定のアミノ酸配列(DRβ1_13S)を有する患者では、再燃が起こりにくい傾向があることを見いだしました。さらに、DQA1*03:02とDRβ1_13Sの保有の有無の組み合わせによる寛解維持期間を解析したところ、これらの遺伝子配列が、MPO-AAVの再燃リスクに関するバイオマーカーになり得ることが分かりました。


 本研究成果は、将来、個々の患者の遺伝学的背景に基づいたAAV治療方針の選択に有用な手段を提供しうると期待されます。


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プレスリリース

研究代表者

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土屋 尚之 教授

川﨑 綾 助教

掲載論文

【題名】
Association of HLA-class II alleles with risk of relapse in myeloperoxidase-antineutrophil cytoplasmic antibody positive vasculitis in the Japanese population.
(日本人集団におけるミエロペルオキシダーゼ抗好中球細胞質抗体陽性血管炎の再燃リスクとHLAクラスII多型との関連)
【掲載誌】
Frontiers in Immunology
【DOI】
10.3389/fimmu.2023.1119064

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