医療?健康

もともと歩行習慣がない人ほど健康アプリを用いた減量に成功しやすい

研究イメージ画像
(Image by Kamil Zajaczkowski/Shutterstock)
 スマートフォンの健康アプリを利用して減量に取り組む人が増えています。本研究では、3ヵ月間の減量期間において、健康アプリで減量に成功する人の特徴を探索的に分析しました。その結果、減量開始時に歩行習慣がない人の方が減量に成功しやすいことが分かりました。

 肥満は、2型糖尿病や心血管疾患など、非感染性疾患の主要なリスク要因であり、世界的な公衆衛生課題の一つです。肥満を解消するためのさまざまな対策が検討される中、近年、ウェブベースで提供される生活習慣改善指導による減量介入に注目が集まっています。中でも、スマートフォンの健康アプリを利用した食事や運動の介入は、減量に効果的な方法として人気があります。しかし、実際の減量効果には個人差があります。そこで、本研究では、健康アプリを利用して減量に成功する人の特徴を探索的に分析しました。

 本研究では、過去に本研究グループが実施した、健康アプリの有効性を検証したランダム化比較試験において、アプリを利用した介入群に割り付けられた過体重または肥満成人68人を対象に、この試験で得られたデータの二次分析を行いました。初期体重の3%を減量できた人を減量成功者と定義し、減量開始時の特徴とアプリ利用状況との関連を分析した結果、減量開始時に歩行習慣がない人ほど、健康アプリを用いた減量に成功しやすいことが分かりました。これは、もともと歩行習慣がない人ほど、アプリから配信される歩くことを促す通知に反応し、運動量が増えたためであると考えられます。また、歩行速度が遅いことや、家族に既往歴があることも、減量成功に関連する可能性が示唆されました。

 本研究結果は、今後の健康アプリの開発や改良に役立つと考えられます。

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プレスリリース

研究代表者

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中田 由夫 教授

人間総合科学学術院 スポーツ医学学位プログラム
SHI YUTONG

株式会社Wellmira
佐々木 由樹 CPHO(Chief Public Health Officer)

掲載論文

【題名】
Exploring determinants of successful weight loss with the use of a smartphone healthcare application: secondary analysis of a randomized clinical trial.
(スマートフォンヘルスケアアプリを利用した減量成功の決定要因の探索:ランダム化比較試験の二次分析)
【掲載誌】
Nutrients
【DOI】
10.3390/nu16132108

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